2013年07月20日

木造の耐震について 〜東京都木造住宅耐震診断技術者育成講習会にて

7/14に東京都木造住宅耐震診断技術者育成講習会および終了考査を受講・受験してきました。考査の結果はまだわかりませんが、わかるまえに聞いてきたことをまとめてみたいと思います。※あまり書くと怒られるかもしれないので、具体的な内容ではなく概要と、現行建築基準法についての指摘事項程度に。

木造住宅(一般的な平屋、2階建て、3階建て)は、建築基準法で指定されている耐力壁量、配置バランスを確保することで耐震性能を確保しています。その性能の程度は、1000年に一度の大地震が起きた時に建物が倒壊せず避難できる、というものです。実際に建てて振動実験をしたところ(自分でではないです)、1度目の地震(阪神大震災と同じ振動)では、ある程度揺れ、サッシが外れたり壁が剥がれたりはしますが、建物は倒壊せず建っていました。その後、同じ振動を加えたところで倒壊となりました。(映像は防災科学技術研究所HPでご覧下さい)ちなみにサンプルとなった住宅は、基準法が示す壁量の1.5倍以上確保されています。
おおきな地震を受けると、建物は建っていてもダメージが蓄積されていくことが分かります。ただし建築基準法の基準として、中規模地震では損傷しないように指導されており、それに従い柱脚金物等の仕様が決められているので、ダメージとして蓄積されるのはそれなりの大きな地震になるようです。ちなみ2011年東北地方太平洋沖地震では、木造2階建てという建物の固有周期と地震の周波数の関係が偶然にも被害がでにくい状態だったため、木造住宅の被害が震度の割には少なかったとそうです。


今回は「耐震診断」ということで、基準法改正以前の一般住宅で行われてきた施工内容(金物なしでの軸組の固定、筋交の釘止めとか)での耐震性能の判断、劣化(内部結露、シロアリなどによるもの)による耐震性の低下具合、などが実験結果にもとづき数値化され、既存建物の耐震性能を判断する上で参考になる情報が多くありました。既存改修の仕事の際に役立ちそうです。

必要耐力壁量の算定の際に、建築基準法ではその階の床面積(1階の必要壁量算定には1階の床面積)が使われています。しかし、この算定方法では、2階が大きい建物(1階にピロティがあったり、2階にはねだしのバルコニーがある場合など)の際に、上の階が大きいのに必要壁量は少なめ、という不具合が発生します。このとような場合、上の階の床面積、形状をふまえ必要壁量・配置バランスを調整します。この講習での耐震診断法は、やはり見上げ(上の階)の床面積で算定するようになっており、おそらく建築基準法もいずれそのように改正されるであろう、とのことでした。
また、建物形状や地盤状況による必要耐力の割増などは、新築時に適応できます。(地盤は基準法にも記載あり)

1000年に一度の地震とはいえ、これで生死がわかれるところです。四国から関東にかけその1000年に一度が今まさに来ようとしている・・・!という締めでした。

posted by しまだ at 17:35| Comment(0) | 技術
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